静岡ならではの魅力に迫る 富士山・駿河湾へ お茶どころへ 町づくり・産業へ

静岡が誇る大自然 富士山と駿河湾に学ぶ

自然、景観、圧倒的な迫力 驚きと発見のワンダーランド

日本の最高峰、富士山。その美しい円錐形のシルエットから一つの独立した山と思われがちですが、実はいくつかの火山が重なり合って噴火を繰り返し、現在の 姿になっています。山頂では、夏の一時期を除いて月の平均気温が氷点下で、非常に過酷な気象といえます。しかし、植物の分布は2,500m以上の高山帯から700m以下の丘陵帯まで幅広く、豊かな自然が広がる山でもあります。その雄麗な姿は万葉の頃から歌に詠まれ、多くの文学、絵画などに表現され、また信 仰の対象として、今なお日本の文化創造に多くの影響を与えています。(平成24年時点)現在ユネスコの世界文化遺産への登録を目指しています。 標高日本一の富士山がある一方で、静岡県には湾の深さ日本一の駿河湾があり、その標高差は6,000mにもなります。黒潮の分流が直接入り込む駿河湾 は、魚類も豊富で、世界最大の甲殻類であるタカアシガニなど、環境変化の少ない深海でしかみられない海洋生物も多く存在しています。

見る人を惹きつける雄姿 四季折々の表情も魅力

日本人はもとより、世界の人々をも魅了する富士山。静岡県内には、視界を遮られることなく裾野まで広がる、その均整の取れた美しい姿を間近に見られるス ポットがいくつかあります。真っ白に雪化粧した冬、雄々しい山肌がいっそう雄大さを引き立てる夏、紅葉に染まる秋など、様々な表情を楽しむことができま す。夏山シーズンには、山頂を目指す多くの登山客で賑わいます。また、富士宮市にある田貫湖は、4月20日頃と8月20日頃、富士山の山頂から太陽が昇る 「ダイヤモンド富士」が見られることでも有名です。写真左)田貫湖から見られる「ダイヤモンド富士」のチャンスは春と夏の年2回
右)夕陽に染まる赤富士は幻想的(第3回富士山百景写真コンテスト入賞作品)

暮らしを支える恵み 地下水と湧水の不思議

富士山の恵みの一つに、豊富な湧水があります。富士山に降った雨や雪は長い年月を経て溶岩の隙間から清らかな流れとなって地表に現れます。柿田川湧水群(清水町)や湧玉池・白糸の滝(富士宮市)などが代表例です。また、富士山の地下水が良質といわれるのは、多量で一定温度を保ち、溶け込んでいる成分が比較的少ないから。生活用水としてはもちろん、工業用水にも最適で、富士市の製紙業をはじめ、化学や電子機器などの工業の他、富士山西麓で盛んな鱒の養殖にも利用され、周辺地域の産業を支えています。写真左)日本百景にも選ばれた白糸の滝。富士山溶岩流の末端から湧水が吹き出ている
右上)清らかな水の中で梅に似た花をつけるミシマバイカモ
右下)驚くほどの透明度。柿田川湧水群の湧き間

日本一深い湾は 海の恵みを育むゆりかご

駿河湾は、陸棚の部分が少なく急傾斜で深くなっているという世界でも希な地形構造で、最深部は2,500mにも達します。この特異な地形と黒潮の流入により、1,300種以上の豊富な魚類が生息しています。特産の桜エビは、国内では駿河湾のみで水揚げされる稀少なものです。また、駿河湾の洋上は、裾野まで雄大に広がる富士山や、かつて火山島だった名残を今に伝える伊豆半島の断崖や奇石が見られる絶好のスポット。清水港と伊豆の土肥港を結ぶ駿河湾フェリーの船上からは、それらを望むことができます。写真左)海上ならではの魅力が発見できる
右)まるでピンクの絨毯のよう。天日干しされる桜エビ

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薩埵峠(静岡市)からの富士山と駿河湾

富士山・駿河湾に学ぶポイントはココ!

富士山の自然環境を活かした体験は静岡県ならではのもの。体験を通じて、成り立ちや自然環境の保全への関心を高めます。溶岩が噴出してできた岩肌を間近に見ることで、自然の力強さも感じられます。一方、駿河湾には、珍しい深海魚をはじめ多くの海洋生物が生息しています。海に面した静岡県では様々な海洋生物の生態が学べます。

富士山と駿河湾にまつわる体験ならコレ!

洞くつ体験
富士宮市指定史跡である溶岩洞くつ「人穴(ひとあな)」は、江戸時代には富士山信仰の修行の場でした。神奈川県の江ノ島に通じているという伝説もあります。洞くつの中を探検し、溶岩の跡はどうなっているのか、見て、触って確かめることができます。
酪農体験
富士山の西麓に広がる朝霧高原では酪農が盛んです。緩やかな傾斜地形と豊かな水資源に恵まれており、広大な牧草地でのんびりと草を食べる牛や羊の姿を見ることができ、富士山を背景に、乳搾りやエサやりなどの体験が可能です。
定置網漁体験と漁師料理作り
桜エビ漁で有名な静岡市清水区の由比漁港。この由比漁港では、漁船に乗船するほか、定置網漁の競りを学ぶことができます。アジやタチウオなど、季節ごとの魚が水揚げされ、とれたてを漁師料理にして味わうことができます。

生産、消費ともに日本一のお茶どころ

静岡を語る重要なキーワード 江戸時代からのブランド静岡茶

全国の茶園面積の41%を占めるほか、緑茶の出荷額も全国の61%を占めるなど、日本一の茶どころ、静岡県。気候や地勢などの環境がお茶の栽培に適してい たため、古くからの茶の産地として知られています。茶の栽培は、鎌倉時代に中国に留学した高僧たちが茶の種を持ち帰り植えたのが起源といわれていますが、 静岡では、聖一国師が中国から茶の種を持ち帰り蒔いたと伝えられています。その後、今川家や徳川家に珍重され独自の茶文化を築き、江戸時代には徳川家御用 達のお茶として献上されてきました。また、明治維新以降は牧之原台地での茶園の開墾が大規模に行われ、富士山を背景に見渡す限りの茶畑が広がる様子は、静 岡県を代表する景観となっています。茶にまつわる歴史や文化などを紹介する施設もあり、茶摘みや茶の手揉み体験も可能です。産地ごとのブランド茶もあり、 味の違いを楽しむのも一興です。また、丸子紅茶は日本で最初に作られた静岡発の国産紅茶です。

山あいに足跡を残す 静岡茶の祖、聖一国師

禅宗の僧侶であった聖一国師。今から800年ほど前に中国に留学した際に持ち帰ったお茶の種を、静岡市の足久保地区に蒔いたのが静岡茶の始まりといわれています。この土地の気候風土がお茶の栽培に適していて、質の高いお茶が栽培されるようになりました。静岡市葵区大川地区にある聖一国師の生家には記念の碑も建てられています。また、竹藪の北側に植えたことから命名されたという「やぶきた」。国内で最も生産量が多いこの茶品種も静岡県生まれ。静岡市駿河区谷田で原木を見ることができます。写真左)静岡市は緑茶の年間支出金額日本一  中)聖一国師の肖像
右)日本一の茶品種やぶきたの原木

日本一のお茶産地ならでは その製茶方法も様々

静岡県で生産される多くの茶葉は、いわゆる普通煎茶として加工されています。茶葉の蒸し時間を通常より長くした深蒸し茶は、牧之原台地一帯がその発祥の地ともいわれていて、濃くまろやかな味わいが特徴です。近年では、健康に良いといわれる茶葉の成分がより多く抽出されるということで、特に注目を集めています。また、静岡市駿河区丸子では日本で初めて国産紅茶が作られ、現在は、鮮やかな赤の水色と渋みの少ないまろやかな口あたりが特徴の紅富貴など三種類の丸子紅茶を生産されています。写真左)技術を絶えさせない熱意で復活した丸子紅茶は渋みが少なく飲みやすい
右)黄色がかったお茶の色と独特の甘みが特徴の深蒸し茶

お茶のスペシャリスト 日本茶インストラクター茶

日本茶がもたらす健康への効果や効能が注目される中、昨今では、お茶を使ったスイーツや日本茶を提供するカフェなども増えています。そこで活躍を期待され ているのが、NPO法人日本茶インストラクター協会が認定する日本茶インストラクターです。彼らは日本茶に関する専門的な知識や技術を活かし、お茶の消費 拡大のための様々な活動を行っています。生産、加工、販売と、お茶に関わる産業が多い静岡県では、600名以上がその認定を受けていて、店舗やカルチャー スクールなどの講習で、日本茶の魅力を広めています。

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茶畑の茶摘み風景(牧之原市)

お茶に学ぶポイントはココ

静岡の代名詞ともいえる「お茶」。茶摘み体験から、自分たちの手で収穫する喜びを味わうと同時に、栽培農家の知恵や工夫を学びます。その体験を通じ、圧倒的な生産量を誇る茶の生産技術を学び、私たちの食生活に欠かせないお茶の原型を知ることができます。茶葉がどのように加工されるのかといった伝統文化についての学習にも展開できます!

お茶にまつわる体験ならコレ!

お茶摘み体験
静岡県ならではの体験として人気の高い「お茶摘み体験」。茶畑に入り、自分の手でお茶の芽をひとつずつ摘み取る「手摘み」の方法を体験したり、茶葉の天ぷらを食べたりできます。

まだまだあるぞ!食材の王国・静岡県

海、山に囲まれ豊かな自然に囲まれた静岡県は、農作物や海産物としてその恵みを享受しています。特産といわれるお茶やワサビも含め、その数は213種類もあり、日本一の食材の宝庫です。1,300種以上の魚類が生息するといわれてる駿河湾では、桜エビやシラスをはじめ、様々な魚介類が水揚げされ、各地の漁港では新鮮な海の幸が楽しめます。県西部の遠州灘では天然トラフグが獲れ、また浜名湖ではウナギ、スッポン、カキなどの養殖も盛んです。温暖な気候は、ミカンや温室メロン、イチゴなどの栽培に適していて、中でも温州みかんと温室メロンの収穫量は、ともに日本一を誇っています。温暖な気候に育まれる農産物。中でも果物は収穫量が多いというだけでなく、その品質においても評価が高い

町づくりや産業は常に歴史とともに発展

時代の転換期に鍵を握った東海道を擁する静岡県

2012年に開通の、新東名高速道路が走る静岡県は、古くから東西交通の要所として栄えてきました。特に近世に街道が整備されると、現在の街並みの基礎が 築かれていきました。群雄割拠した戦国時代は多くの名将が敵地攻略の要としたため、城や山城、砦も多く作られています。徳川家康の出世城として知られる浜 松城(浜松市)や、山内一豊が城主として過ごした掛川城(掛川市)などは、天守閣が復元され当時の姿を偲ぶことができます。江戸時代に入り徳川家康が駿府 城(静岡市)に入城すると、城の拡張・修築や町割り、安倍川の治水事業が行われ、現在の静岡市の原型ができあがりました。当時、江戸の人口が15万人だっ たのに対して駿府は12万人ともいわれ、政治・経済・文化の中心として栄えた様子がうかがい知れます。そして、1854(嘉永7)年には黒船が下田に来 航、新たな時代の幕開けの舞台の一つとなりました。明治期以降、近代化が進む中で多くの技術者を輩出し、受け継がれた技術は、「ものづくり県」としての県 の産業を支えています。

徳川家康が残した町割りと伝統工芸の技術

関ヶ原の戦いに勝利し、江戸幕府を開いた徳川家康は、その後、将軍職を子の秀忠に譲り、実権を持ったまま「大御所」として駿府城に拠点を移しました。駿府城や静岡浅間神社を造るために、全国から多くの大工、彫刻、漆などの技術を持つ職人を集め、城下に住まわせました。今でも残る呉服町、両替町、紺屋町などの地名は、この当時の名残です。また、職人の技術は後世まで継承され、ひな人形や駿河蒔絵などの伝統工芸として発展し、さらに現代のプラモデル産業に受け継がれ、全国第1位のプラモデル産地となっています。 写真 左・左上)駿府城で大御所政治を行った徳川家康
左・中)世界に唯一のガンダムのプラモデル工場
左・右上)江戸の職人の技を今に伝える伝統工芸の駿河下駄
右)総漆塗りが美しい静岡浅間神社

日本の夜明けを見守った港町下田は開国の舞台

幕末、日米和親条約の締結により開港されると、下田は外国船への燃料や食料の補給地として賑わいました。下田条約が締結された了仙寺や、日ロ修好通商条約を調印した長楽寺、日本初の米国総領事館が開設された玉泉寺など、動乱の幕末を見守った名所、旧跡が市内に数多く残り、中でも了仙寺には、黒船・開国に関する資料が国内最多の3,000点以上が所蔵されています。毎年5月には、下田条約調印を再現した「黒船まつり」が開催されています。 写真 左)昔ながらの街並みが残るペリーロード
中)開国を求めて黒船で来航したペリー
右)幕末の思想家吉田松陰も下田に訪れた

脈々と受け継がれるものづくりの精神

明治に入り近代化の波が日本にも押し寄せてくると、欧米の進んだ技術を学び国内で生産を始める会社が創業されました。本田宗一郎、山葉寅楠、豊田佐吉などの技術者や発明家を輩出し、また、浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)では、高柳健次郎がブラウン管式テレビの世界初の映像実験に成功するなど、国内の先端技術の多くが静岡県から生まれました。ホンダ、ヤマハ、スズキなど、日本のトップ企業発祥の地であり、特に県西部は現在でも軽自動車、二輪車、楽器の製造を中心に、国内有数の工業地帯を形成しています。 写真 左)近代の日本において、優れた技術者を世に送り出した
中)バイク等の生産シェアは全国のおおよそ半分
右)ピアノ生産のシェアは100%

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国宝・久能山東照宮(静岡市)

歴史に学ぶポイントはココ!

徳川家康が全国から職人を集めたことにより、多くの職人技術が残る静岡県。ものづくり体験や散策を通し、日本の伝統や文化を尊重する心を育み、職人の技術を学習できます。教科書でもなじみが深く、開国の舞台となった下田では、直接訪れて歴史を学ぶことで、内容を一層身近に感じ、歴史に対する知識を深めることができます。

歴史にまつわる体験ならコレ!

ハーバーミュージアム体験学習
1853年に黒船が来航したことをきっかけに「開国の町」として歩んできた下田。その、古代から現在に至るまでの歴史を年代順に展示しています。貴重映像や精密な復元模型を使い、開国の歴史をよりリアルに知ることができます。
東海道蒲原宿の歴史探訪
蒲原(かんばら)宿は、江戸時代に整備された五街道のひとつ「東海道」の、15番目の宿場町です。江戸時代の面影を残した街並みを散策して、昔の生活に触れることができます。まるでタイムスリップしたような気持ちで歴史を学べます。
なまこ壁のある町めぐり
「なまこ壁」とは、白と黒の格子模様が印象的で、土蔵などの壁塗りの様式の一つ。耐火・耐水のため、壁に漆喰を盛り付けて松崎町独特の景観を造り出しています。風情ある町並みを散策しながら昔の生活や暮らしの知恵について学びます。