穏やかな自然と素朴で心温まる民宿を舞台に体験学習の場を提供している松崎町。漁村体験ができる岩地地区を中心に平成12年度より中学校の修学旅行の受入を始め、平成23年度現在では年間1,500人余りを受け入れています。石部地区の棚田も有名で、平成21年度には「松崎町石部地区棚田保全推進委員会」が、都市と農山漁村の共生に関する取組を審査する「オーライ!ニッポン大賞」を受賞。平成22年度には「全国棚田サミット」を開催するなど、地域資源を生かした活動を行っています。
松崎町は、伊豆半島西海岸の南部に位置しています。北、東、南の三方を天城山系に、西を駿河湾に囲まれた小さな港町です。海岸線は富士箱根伊豆国立公園区域や名勝伊豆西南海岸に指定されており、変化に富んだ景観を見ることができます。なかでも、町内の「岩地(いわち)」「石部(いしぶ)」「雲見(くもみ)」の3つの地区は三浦(さんぽ)と呼ばれ、豊富な温泉、白砂青松の海岸、雄大な富士の景観が楽しめるスポットとして知られています。
どこか昔懐かしい印象を抱かせる松崎の町。町内には建物の防火・防湿性向上のために造られた「なまこ壁」の建物が200棟ほど現存し、風情ある景観を作り出しています。左官の名工・入江長八の漆喰鏝絵(しっくいこてえ)を展示する「伊豆の長八美術館」や、明治13年に建築され国の重要文化財に指定されている「岩科学校」、明治の呉服商家「中瀬邸」などの見学施設もあります。のどかで素朴な街並みは、テレビドラマのロケ地にも選ばれています。また、桜餅などに用いられる桜葉(塩漬け)は、全国需要の7割を出荷する町の特産品となっています。
事故を未然に防ぐため、体験全般について、危険を予測して対策をとっています。具体的には、使用する装備・器具・道具の取扱方法を確認し、定期メンテナンスを実施。活動場所を下見して危険箇所を把握。避難経路に障害物がないよう整理整頓。参加者の持病やアレルギーを把握。指導者の事故対応訓練(応急手当の方法、救援依頼の方法)も行います。
活動別の安全管理としては、海の体験(カヤック、魚釣り、地引網等)では熱中症や日焼け対策として帽子着用や水分補給に配慮。陸地に監視スタッフを配置し、緊急時は海上スタッフに連絡。毒を持つなど危険な魚には触れないよう事前に説明します。乗船体験では、乗船名簿を作成し現地責任者と船長が保有します。
海上または海への転落の可能性があるすべての活動でライフジャケットの着用を義務付け、気象状況によっては体験の中止を決定します。
刃物や火気を取り扱う場合は、取り扱い方法の説明を行い、体験者に留意して実施します。
宿泊に関する安全管理としては、受入宿泊施設では、子どもたちの到着後、屋内避難経路および津波避難経路の確認のための避難訓練を実施しています。食事を提供する者は、食品衛生法に則って十分に配慮しています。
そのほか、公共施設や道路電柱に、海抜表示の掲出を行っています。